縫製工場で酷使される技能実習生

 

以前、技能実習生の営業をしていた時に縫製業に営業をかけるのはやめた方がいいと言われたことがあります。

理由としては、受け入れ企業側に資金がないところが多く、トラブルが頻発すること、そして実習生達もその情報は広く知れ渡っているので、人気がなく人が集まらない可能性があるとの事でした。

縫製工場で起こった技能実習生の労働問題

実際に縫製関係の実習生のトラブルはニュースなどでもよく取り上げられています。昨年、「ガイアの夜明け」で技能実習生の問題が取り上げられていて大きな問題になっていました。

岐阜県にある縫製工場が実習生達をほとんど休みなく時給400円(岐阜県の最低賃金は800円(H29.10.1時点))で働かせていたらしいのです。

さらに残業代も未払いで、一人当たり600万以上が支払われていないといいます。

残業代を請求されると企業側は倒産したと支払いを拒んでいるのですが、その企業自体は社名や場所を変え再び営業をしているらしいのです。

ニュースではこの企業の倒産について国の「未払い賃金立替制度」を悪用した計画倒産だとも書かれていました。

さらに酷いのは、今回残業代の請求に踏み切った実習生達は解雇され、寮も追い出されてしまったのです。

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縫製・アパレル業界はブラックなのか

「ユニクロ」のブランドで有名なファーストリテイリングはブラック企業と巷で言われていますが、やはりアパレル業界はブラックな企業が多いと思います。
店舗なども現場も低賃金、重労働のケースが多く離職率は非常に高いと言われています。

アパレル業界の平均年収は285.2万円、年間休日数は平均96.4日と、年収が低い割には休日が少ない。有休取得率は36.4%と、飲食業界と比較するとやや高いが、有給休暇を有効に活用できる環境とは言いがたい。離職率も45.4%と高く、アルバイトや契約社員などの非正規雇用で人員をカバーしているケースもある。

引用元:ブラック業界 | クチコミランキング

安い海外製品やファストブランドの台頭で競争は激しくなるばかり。

それでもアパレルの現場が人手不足に困らないのは、アパレルといえば「おしゃれ」や「かっこいい」というイメージがあり、人が辞めてもすぐに新人が入って来るからだそうです。
このように求人に困らないので、待遇がなかなか改善されない構造になっているのです。

製造現場に関していえば、国内にある縫製工場は本当に儲かっていないイメージです。縫製の現場といえば、もはや人件費の安い中国や東南アジアで国内にある縫製工場は海外と競争しなくてはいけないのでまともにやっていたら営業できないのかもしれません。

まとめ

安価な海外製品との競争が激しくなるばかりで、将来的にまったく改善の余地がなさそうな縫製業界。このまま海外との賃金の格差がなくなっていけば製造現場に技能実習生はもう来なくなりかもしれない。技能実習生の職種も増えているし、日本人と同じようにわざわざ縫製業界に行く人はいなくなるだろう。
アパレルの生産が海外に流れ始めた1990年代から現在までは実習生のおかげで日本の縫製工場はなんとか食いつないできた、業界自体を改善しないと日本で服が作られることはこの先なくなるかもしれない。